次世代エネルギーとして太陽光エネルギーを化学エネルギー(物質)として貯蔵し、必要な時に必要なエネルギーを取り出せる新エネルギー系、物質変換系としての人工光合成系を構築することが喫緊の課題となっている。人工光合成はかつて「人類の夢」であったが、今や必ず実現しなくてはならない「人類の存続を賭けた課題」となった。その実現にはこれまでの我が国を始めとする先端的研究実績を基礎に、思い切った複合化した異分野連携・融合(Multiple cross-fertilization)による新学術領域の創設が必要不可欠である。本領域ではまさにこの課題に正面から取り組む。明確な目的を志向する発展基礎研究を縦軸に置き、固有の方法論を基礎とする各領域の先端研究を横軸に据えてその交点に立つ各研究者が思い切った異分野連携・融合を実施・展開し得る共同
研究体制を構築する。人工光合成の実現には水を電子源とする酸化還元系の開発が必須である。
このため、天然の光合成に「学び」、「模倣し」、「それを超える」、「学理」と「技術」の展開戦略として、具体的な解決すべきA01)光捕集、A02)水の酸化光触媒、A03)水素発生光触媒、A04)二酸化炭素還元光触媒、の4つの研究項目を設定して「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、これら研究項目に関連する2年間の研究を公募する。1年間の研究は公募の対象としない。また、研究分担者を置くことはできない。
- 公募研究の採択目安件数は、単年度当たり(1年間)の応募額200万円を上限とする研究を20件程度予定している。
- 特に、人工光合成の実現をライフワークとする若手研究者による新しい視点からの独創的、挑戦的提案を期待する。
- なお、研究内容の詳細については、領域ホームページを参照すること。
(研究項目)
A01 光捕集機能を有する人工光合成システム
A02 水の酸化光触媒機能を有する人工光合成システム
A03 水素発生光触媒機能を有する人工光合成システム
A04 二酸化炭素還元光触媒能を有する人工光合成システム