News from AnApple (2013-02)
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☆新学術領域研究(人工光合成)メール通信☆
News from AnApple (2013-02)
発信日◇平成25年4月17日
発信元◇新学術領域研究(人工光合成)
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【1】領域からのお知らせ
(1)【さきがけ研究成果報告会:人工光合成研究の最前線?挑戦する若手研究者】の報告
http://www.chem-conv.jst.go.jp/symposium_130322.html
首記報告会は、JSTさきがけ「光エネルギーと物質変換」領域の1期生(3年型)の最終報告会
(5年型は中間報告)として、平成25年3月22日(金)に立命館大学びわこ・くさつキャンパスで
行われた。本領域の1期生には、理論系、実験系、計測系の研究者が名を連ね、その発表内容も
金属錯体を触媒とした水の酸化や二酸化炭素の還元、無機半導体光触媒による水の分解、たん
ぱく質や酵素に着目した燃料合成・人工光合成系のメカニズム解明など多岐に渡り、各研究者
の個性を色濃く反映したものとなった。午後のセッションでは、人工光合成研究分野の世界的
leading scientistの1人であるThomas J. Meyer教授(University of North Carolina, Chapel Hill校)
の特別講演もあり、領域総括、領域アドバイザー、international advisory boardメンバー
などの領域関係者はもとより、一般参加者も交えて活発な質疑が行われた。報告会は英語での
発表質疑となったが、集客は多く参加者は約450人にのぼり、盛会のうちに閉幕した。この
ように、報告会はそのキャッチフレーズの通り「人工光合成研究の最前線」を知らしめるもの
となり、人工光合成研究に携わる研究者はもちろん、関連する研究領域の面々にも刺激的な
機会になったと考えられる。
(文責 東京工業大学理学部 前田和彦)
(2)【人工光合成による太陽光エネルギーの物質変換シンポジウム】の報告
http://www.csj.jp/nenkai/93haru/5-1.html#thema_sympo5
日本化学会第93春季年会2日目の3月23日(土)に、中長期テーマシンポジウムとして
「人工光合成による太陽光エネルギーの物質変換」シンポジウムが開催され、当分野の第一線
で活躍中の先生方による10件の特別講演が行われた。本シンポジウムでは、分子触媒系、
固体触媒系のどちらにも偏ることなく、人工光合成研究の現状、課題、及び将来展望について
広く講演がなされた。太陽光エネルギーの高効率な物質変換を目指す上で、個々の先生方の研究
がいかに重要であるかを再認識させられるとともに、その研究推進のスピードにとても驚かされ
た。また、報告済みの結果だけでなく現在進行中の研究成果についても活発に議論され、本領域
が目指す「オールジャパン体制」での人工光合成構築に対する、先生方の熱い意気込みを感じた。
当日は、収容可能人数600名の会場が絶え間なく聴衆で埋め尽くされるなど非常に活気のある
会となり、研究者の間で人工光合成研究の重要性が益々認識されてきていると感じた。そして、
本領域代表の井上晴夫先生が述べられたように、1つの大きな目標の達成に向けより多くの研究者
で切磋琢磨することが、人工光合成系の早期実現のために必要であろうと強く確信するに至った。
(文責 九州大学理学部 山内幸正)
(3)【Thomas J. Meyer教授とさきがけ研究者とのディスカッション】の報告
3月24日に、立命館大学びわこ・くさつキャンパスにて、藤田教授とMuckerman教授を交えて、
さきがけ領域の研究者8名とThomas J Meyer 教授との研究ディスカッションが行われた。領域
のメンバーから15 ~ 30分の発表の後、同等の時間討論を行う形式で、非常に密度の濃い会であっ
た。研究を紹介して頂いた先生と研究内容を以下にまとめた。
定金先生 ポリオキソメタレートを用いた水の酸化反応
正岡先生 ルテニウム錯体の合成と水の酸化触媒活性
八木先生 二核ルテニウム錯体の構造と酸化還元特性
舩橋先生 かご状配位子を用いた分子触媒の設計
石田先生 二酸化炭素還元触媒の合成
嶋 先生 ヒドロゲナーゼに関する研究
山崎先生 金属酸化物による水の熱分解
山方先生 赤外分光による電子正孔移動
恩田先生 金属錯体の時間分解赤外分光
松原先生 金属錯体のヒドリド供与能
Meyer教授は、多岐にわたる研究に対して的確な質問やアドバイスを提供し、Meyer教授の知識
の広さと深さだけでなく、鋭い洞察力に感銘を受けた。八木先生には、現在私が研究している
ルテニウム二核錯体の特異的酸化還元反応について紹介して頂いき、私も議論に加わりMeyer教授
とディスカッションできたことは大変光栄で、大きな励みになった。今後の研究展開に重要な
アドバイスも多く頂くことができ、非常に有意義な時間を過ごすことができた。
(文責 新潟大学工学部 平原将也)
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八木政行
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(工学部機能材料工学科)
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E-mail: yagi [@] eng.niigata-u.ac.jp
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